私は“ややこしい服”が大好き。この“ややこしい服”とは、例えばニットジレ（#昭和用語　でいうところのチョッキ）とか、ポンチョとか、「着る時季が短く」て「コーディネイトがワンツーでは済まず」、「下に重ねるアイテムなどを考えなくてはいけない」ようなもの。

そう！正直言ってめんどくさくて、疲れているときには着るのが億劫になってしまいそうな服。と、こうやって書いてしまうと、まったく良いところがないみたいになってしまってますけど、違うんです。ややこしいからこそ、威力絶大！なんですよ、実は。

このジレコートも、はっきり言って超ややこしい！だってコートなのに袖が短すぎるから（デザインです）、真冬には着られません。いや、そもそも、コートなの？コートじゃないのかも。ま、どっちでもいいか。

でも、ですね。これ、着ているとすごく褒められます。もうびっくりするくらい、元取ってます。で、なんでこんなに褒めてもらえるのかしらと考えてみたのですが、どうもこのややこしいコートを着ているということ自体の勇気？　チャレンジ精神？　男気？　を称えてくださっているのではないかと。

あとは、ややこしい服って存在感抜群なので、「おしゃれをしている」という感じが伝わりやすいんだと思います。実は主役級アイテムだからこそ、他のスタイリングはシンプルでOKというメリットも。この日の私も、コートの中はシンプルなクルーネックニットとパンツのワンツーコーデです。正直、本当に、なんでもないスタイリング。でもこのコートを羽織るだけで大逆転！　ジャーンピングチャンス！（婦人の皆さんなら覚えていらっしゃるはず。なるほどザ・ワールドですよ。）　一気にシャレ見えする、というわけです。

そう。「おしゃれをしている」という気持ちや意気込みが相手に伝わるって、すごく大切だなと思います。例えばお仕事のシーンなら、その仕事に対してのやる気を伝えるツールの一つになるかもしれないし、誰かと会うときであれば、その人に会えてうれしいという気持ちの表現にもなると思います。

ということで、一見ハードルが高くて面倒に思えるかもしれませんが、大人にとって“ややこしい服”にトライしてみる意義や価値は十分にあると思うのです。